オランダの美味しいお酒 Jenever

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オランダ名物の蒸留酒、Jenever。カタカナ表記はイェネーバ、イェネーファ、ジェネーバ、ジェネーヴァ、ジェネーファ、ジュネヴァなど、いろいろありますが、本来外国語をカタカナ表記するのが無理ですね。

それでもあえて表記すると、オランダ語の「J」は濁音ではないので、その発音に一番近いのはイェネーバ、もしくはイェネーファだと思っています。

Jenever の勉強のため、スキーダム(Schiedam)の運河のほとりにある Nationaal Jenevermuseum へ行ってきました。「勉強」と言えば聞こえはいいですが、いろいろな Jenever の試飲も大きな目的でした。

ダッチジン

Jenever は、日本ではオランダジンとかダッチジンとか呼ばれているようですが、もともとジンの発祥はこのオランダの Jenever です。オランダからイギリスにわたって世間一般で言われているジン(ドライジン)になりました。

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そのあたりの細かな歴史は他の多くのサイトにゆずって、ここでは Old Schiedam に関して「勉強」してきたことを書くことにします。

Old Schiedam

chiedam のボトル。商標登録されています。ボトルが四角なのは輸送中に瓶通しがぶつかり合っても壊れにくいからとのこと。

このミュージアムは昔の酒造所、今でも少し作っていますが、ミュージアムの売店と近くの酒屋さんで販売する程度だけとのこと。蒸留器(ketel)もそれほど大きなものではありません。一週間に一度仕込むだけとのことでした。


作り方は17世紀の製法そのままで行います。


これらが原材料。

Old Schiedam 製法

第一級品の大麦とライ麦を使い、もろみを作る。そしてイースト(gist)を加え発酵。2-3日後にアルコール濃度 6% になったら三回蒸留して moutwijn を作る。

一回目の蒸留でアルコール濃度は 15%(ruwnat)になり、二回目で 30%(enkelnat)、そして三回目で 60%(moutwijn)になる。

その後少なくとも三年間樫の樽の中で寝かせ、それに Jeneverbessen などの香料を加えて味を調え、濾過する。そうして作られたのが、Old Schiedam moutwijnjenever という説明でした。


各工程でできたものの香りをかぐことができます。

Jeneverbessen は、juniper berries、ジュニパーベリー、西洋杜松(ネズ)の実です。

Old Schiedam (アルコール度 40%)が試飲できました。まるでウイスキーのような味わいで美味しかったです。

試飲の後は2階、3階へと上がって展示品を見てきました。



世界のお酒の展示

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Jonge jenever と Oude jenever の違い

いつも飲んでいる Jonge jenever に関しての説明も聞くことができました。初めて知ったのですが、Oude と Jonge の違いは発酵年数ではなかったです。

今までてっきり年数の違いだと思っていましたので、勉強になりました。

Oude は最低 15% の moutwijn を含む。Jonge のほうは、moutwijn の使用量は 15% 以下で良いとのこと。

Oude は伝統的な方法(de traditionele -oude- methode)で作られる、一方 Jonge は近代的な製法(de moderne -jonge- methode)が使われます。

ミュージアム内の小さなレストランでは、三種類の Jenever が 4.2 ユーロで試し飲み出来ました。

これらのうちから選ぶのですが、たくさんありすぎてどれがいいのか分かりません。

レストランの人のお奨めでこれらを選んで飲みました。この左の Corenwijn が芳醇な香りで一番おいしかったです。上の説明によると最低 51% の moutwijn の入ったアルコール度 38% のものでした。

説明してくれた酒造家の人が言ってましたが、当然子供連れの人たちは来ない、訪問者は年配者だけだとか。やはり年配者の飲み物のようです。

確かに Jos と一緒に説明をしてもらった10人ほどは皆50歳以上の人たちのようでした。好きな人たちにとっては穴場観光地とも言えますね。

日本で購入できる Jenever



ここのトイレの扉、なかなか洒落ていると思いませんか?

戴いたパンフレットに出ていた詩です。

Jenever beide en liefde
Verblijden een zeeman ‘t meest,
Verbannen saam de zorgen
En kwellingen uit zijn geest.
By liefde en by jenever
Blijft hoofd noch boezem ooit koel,
En ‘k smaakte vaak van beiden
Een bijster prettig gevoel.

Jacob van Lennep (1802-1868)
Uit: Zeemansliedtjens (1852)

訳すとこんな感じでしょうか。

「イェネーバと愛
どちらも最高の歓喜を船乗りに与えてくれる
苦労と苦痛を心から取り除いてくれるのさ
愛とイェネーバで
頭と心はいつも熱くなる
時々どちらも試してみるよ
最高の気分になれるから」

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